最安プランの価格は、たいてい比較の対象ではない
SSO・IP制限・監査ログを調達の条件に挙げているなら、比べるべきは最安プランではなく、その条件を満たすプランの価格になる。公開情報で提供プランまで分かる製品は限られている。
microCMS は IP制限が Business 以上、SSO と監査ログが Enterprise。Strapi は SSO が Growth のアドオン(月$150+$50/シート)で、監査ログと Review Workflows は Enterprise のみ。どちらも最安プランの価格から大きく離れる。
残る9製品は、これらの機能の提供プランを公開情報で確認できなかった。比較表では — としている。問い合わせないと分からない、というのがこの軸の実態である。
止まる課金か、増える課金か
上限を超えたときの挙動は製品で割れる。microCMS の Hobby はデータ転送20GB/月を超えるとAPIが止まる。止まる方式は請求が読めるが、サイトが落ちる。
増える方式は逆になる。Strapi Cloud は追加APIリクエストが+$1.50/25,000回、ストレージが+$0.60/GB、転送が+$30/100GB。microCMS の Team 以上はデータ転送超過が+20円/GB、メンバー追加が+1,200円/人、API追加が+2,000円/個。supacms は Basic でストレージ超過が+50円/GB、API呼び出し超過が+500円/50,000回。
Kuroco は固定の月額そのものを置かず、使った分だけを積む。APIリクエストが$0.37/10,000回、データ転送が$1/5GB。見積例として月$180と月$275が示されているが、最低月額の記載はない。稟議で固定費を書きたい組織には向かない。
買い切りと月額は、比べる前に年数を決める
Movable Type のソフトウェア版は132,000円(税込)の買い切りで、年間メンテナンスが44,000円/年。クラウド版は月額13,750円(税込)から。ワークフローが要るなら、ワークフローパックが253,000円(税込)別途になる。
月額13,750円は年に165,000円。買い切り132,000円+メンテ44,000円は初年度176,000円、二年目以降44,000円。三年使うなら買い切りが安く、一年で畳むなら月額が安い。どちらが得かは、何年使うかを先に決めないと出ない。
ソフトウェアが無償でも、費用はゼロにならない
WordPress はライセンス費用がかからず、商用利用もできる。Strapi の Community Edition も MIT ライセンスで無償。ただしどちらもサーバーを自分で用意し、脆弱性への追従とバージョン上げを自分たちで続けることになる。
その工数を人月で見積もり、SaaS型との差額と比べる。差額が保守にかけられる人月を下回るなら、無償のほうが高くつく。
通貨と税の表記がそろっていない
本サイトの比較表は、各製品が公開しているとおりの通貨と単位で載せている。円に換算していない。為替で動く数字を一つの時点のレートで固定すると、出典と一致しなくなるためである。
税の扱いも製品でばらついている。microCMS と STUDIO と supacms は税抜、Movable Type は税込で表示している。並べるときは注記まで読んでほしい。